塩素の毒性は人体に多大な悪影響を及ぼしてしまいます。
身近な所で言うと、水道水やプールによる肌への影響があるのではないでしょうか。
ここでは、塩素の毒性について詳しく書いて行きたいと思います!
【目次】
塩素の毒性は人体に多大な悪影響を及ぼしてしまう
水道水やプール、漂白剤やキッチンハイターに至るまで私たちの生活は塩素に囲まれていると言っても過言ではありません。
塩素は殺菌力が非常に強いことから、私たちの生活をより安全にしてくれたとても素晴らしい成分なのですが、水道水に含まれている微量の塩素ですら肌の弱い方やアレルギー性皮膚炎の方にとっては脅威となっています。
塩素は殺菌力とともに強い粘膜刺激作用があり、大量に摂取してしまうと灼熱感・嘔吐・頭痛・湿疹・皮膚炎・咳・窒息・肺炎・気管支痙攣・肺水腫・致死など、使用方法を誤るととても怖い成分です。
普段の生活でもお風呂場の掃除やキッチン周りの掃除などで、塩素入りの商品を使用することがあるかと思いますが、掃除中にめまいや目が痛くなったり、呼吸がしにくくなったりした経験があるのではないでしょうか。
それらは全て塩素を身体の中に吸収した結果起こってしまったことなのです。
塩素は気化しやすい為、約25℃でガス化します。
お風呂場などの狭い部屋での掃除に塩素入りの商品を使用するとより身体に悪影響を及ぼしやすくなってしまいます。
もしも謝ってお子さんが塩素入りの商品を飲んでしまった場合は、無理に吐き出させようとせずに水で口をすすいでから、コップ1~2杯の牛乳または水を飲ませるようにして下さい。
無理に吐き出させようとすると、嘔吐物が気管に入って、窒息や誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)をおこす可能性があるのでかえって危険を伴います。
また、「混ぜるな危険」と商品に書いてあるのを見たことがあるかと思いますが、あれは混ぜたことにより化学反応を起こし塩素ガスを大量に発生させてしまう恐れがある為です。
この化学反応により自殺を図ってしまう方もいる程、塩素は怖い成分なのです。
塩素が生んだ悲劇
塩素はその殺菌力から私たちの生活になくてはならない成分ですが、塩素は非常に強い毒性を持つ為、人類初の本格的な化学兵器として使用されています。
第一次世界大戦の1915年4月22日、ベルギーの西端にあたるイープルでドイツ軍が初めて塩素(毒)ガスを使用し、死者5000人という多大な被害を被っています。
その後もより毒性の強い物が開発され、100万人の方が犠牲になったと言われています。
塩素(毒)ガスは助かっても後遺症がひどいことから、1925年のジェネーブ協定で塩素(毒)ガスや細菌などの化学兵器は禁止されました。
しかし、イタリアは1935年にエチオピア併合、日本は日中戦争、ドイツはユダヤ人の大量殺害の手段として塩素(毒)ガスを使用しています。
また、1980年代に三重県四日市で、作業員が次亜塩素酸ナトリウム水溶液をタンクに移し替える際にホースが外れ、水溶液を浴びてしまった事故がありました。
作業員はぬれた衣類を洗わずに日に干して乾かし、そのズボンをはいて歩いたところ、摩擦によって爆発が起き重体になってしまいました。
この他にも、誤って事故を起こしてしまったり、故意に危険な行為に及んだ事件などもあるので、塩素の使用方法には十分気を付けなければなりません。
日本が塩素を導入
塩素は使用方法を間違えてしまうとその強い毒性から化学兵器にもなり、人体に多大な悪影響を及ぼしてしまいますが、コレラ菌や大腸菌などの病原微生物の殺菌と言う重大な役割があります。
日本で初めて塩素消毒を用いたのは、1921年(大正10年)東京市と大阪市でのことです。
塩素を用い水道施設の整備が進むにつれてそれまでに蔓延していた伝染病や食中毒、感染症などが減少し、日本の水道水の安全性が確立していきました。
現在では、日本の水道水は1957年(昭和32年)に制定された水道法により、残留塩素濃度を0.1mg/L以上保持するように定められています。
0.1mg/Lは、1000ℓの水の中に1gの塩素が含まれていることになります。
また、味や臭いの観点から残留塩素濃度の上限を1mg/L以下に抑えるように水質管理目標値も示されているので、日本の水道水の残留塩素濃度は0.1mg/L以上~1mg/L以下となっています。
プールも同様に残留塩素濃度の上下が定められています。
プールの残留塩素濃度は0.4 mg/L以上~1mg/L以下となっています。
比較すると、
●水道水の残留塩素…0.1~1.0(mg/L)
●プールの残留塩素…0.4~1.0(mg/L)
水道水に含まれている残留塩素濃度もプールに含まれている残留塩素濃度もあまり変わらないのです。
プールの独特な臭いは、体内の汚れが水中に溶けて生じた、アンモニア性窒素と塩素が反応してできた結合塩素(クロラミン)によるものですので、水道水にプールと同じ濃度の残留塩素が含まれていても臭いをさほど感じないことがあります。
それに、水道水に含まれている残留塩素濃度は地域により大きく異なるので、地域によってはプールよりも残留塩素濃度が高い所もあります。
肌の弱い方やアトピー性皮膚炎の方がプールの塩素の毒性を気にする話はよく耳にしますが、まずはご自宅の塩素の毒性に注意しなければならないのではないでしょうか。
塩素導入とともにアトピー性皮膚炎が増加!?
日本に塩素が導入されたことにより、伝染病や食中毒、感染症などの危険が減少するにつれて塩素による肌への悪影響が懸念されていきました。
特に肌の弱い方やアトピー性皮膚炎の方にとっては、塩素の毒性は避けては通れない事柄になるかと思います。
塩素が導入される前はアトピー性皮膚炎について深く問題視されていない傾向がありましたが、塩素の普及によるアトピー性皮膚炎の方の増加に伴い、本格的に問題視されるようになっていったのです。
アトピー性皮膚炎の原因は遺伝・ホルモンバランスの乱れ・生活習慣・ストレス・睡眠など様々ありますが、塩素も肌荒れを悪化させてしまう要因なのです。
また、身体の未熟な赤ちゃんや小さいお子さんには微量であっても塩素の毒性は身体に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
感染症などの脅威から生活を守ってくれる塩素ですが、塩素によって生活を脅かされている方が少なからずいるのもまた事実なのです。
塩素の毒性による身近な悪影響
実際に塩素の毒性は身体にどのような悪影響を及ぼしてしまうのでしょうか。
調べた所、4つの悪影響を及ぼしてしまうことが分かりました。
●トリハロメタンの生成
●髪のキューティクルの損傷
●肌トラブル
●食品のビタミン損失
一緒に見て行きましょう!
●トリハロメタンの生成
水道水に含まれている残留塩素は発がん性物質であるトリハロメタンを生成してしまうことが分かりました。
トリハロメタンの除去には水を煮沸させる方法がありますが、煮沸してすぐに止めてしまうとトリハロメタンは増加してしまいますので、煮沸し続ける必要があります。
【トリハロメタンの増加率】
表を見ると、煮沸後約50分後にトリハロメタンが完全になくなることが分かりますが、50分もの間煮沸していると今度は鍋ややかんなどの金属類が混ざってしまう可能性があるので、10分~15分程度煮沸するのが良いのではないでしょうか。
●髪のキューティクルの損傷
塩素は髪のキューティクルを損傷させてしまうことが一般社団法人浄水器協会の調べにより実証されています。
参考:一般社団法人 浄水器協会
髪のキューティクルが損傷してしまうと、髪内部の水分やケラチンが流出してしまいます。
このことにより、パサパサ感だけでなく切れ毛や枝毛、ツヤの低下など綺麗な髪を維持することが困難になってしまいます。
1度損傷してしまったキューティクルは元に戻ることはありません。
リンスやトリートメントなどで補修することはできますが、根本の解決にはならなので、綺麗な髪を目指すのであればキューティクルを損傷させないことが大切です。
●肌トラブル
塩素の毒性は先にお伝えしたように、肌へ悪影響を及ぼしてしまいます。
参考:一般社団法人 浄水器協会
塩素の毒性は肌のバリア機能を低下させてしまうので、通常の肌よりもダメージに弱い肌となってしまいます。
また、バリア機能が低いと肌内部の保水力や保湿力を下げてしまうので、肌荒れ引き起こしてしまったり、敏感肌や乾燥肌になったりと様々な悪影響を及ぼしてしまいます。
●食品のビタミン損失
水道水でお米や食品を洗うかと思いますが、水道水に含まれている塩素の毒性はここにも悪影響を及ぼしています。
星薬科大学の研究室では、水道水で野菜や米、レバーなどを洗うと、ビタミンの10%~30%を損失させるという研究結果が出ています。
また、茨城県工業技術センターでは、次亜塩素酸ナトリウム(塩素)によるカットキャベツのビタミンCの減少を調べた研究結果もあります。
参考:茨城県工業技術センター
表では、そのままの状態ですと59.75mgのビタミンCがカットキャベツには含まれています。
しかし、次亜塩素酸ナトリウム(塩素)に10分浸すことで42.02mgに、30分で41.33mgとだいたい3割のビタミンCが減少してしまいます。
これは、水道水の塩素の毒性が食品の細胞に入り込み、ビタミンを壊すことが原因で起こります。
キャベツの千切りを氷水などにつけると、シャキッとすることは料理のコツとして知られていますよね。
ですが、水道水の塩素によって実はどんどんビタミンが破壊されていることになります。
また、干し椎茸を戻す際などのつけ置きも、多くのビタミンが損失してしまっています。
ビタミンは肌荒れ予防や改善にとても効果的ですので多く摂取したい成分ですが、水道水の塩素の毒性が思わぬところで食品に含まれるビタミンを損失させてしまっているのです。
このように、塩素の毒性は普段生活している中でも身体に悪影響を及ぼしてしまっています。
今まで何の心配もなく水道水を使用していた方は、上記の4つの被害にあわれているのではないでしょうか。
安全な生活の為とはいえ、身体に必要なビタミンの損失や髪や肌への悪影響を無視することはできません!
安全が確立された後の塩素の毒性を取り除く方法をご紹介してから、この記事をまとめたいと思います☆
塩素の毒性を除去する方法
塩素の毒性を除去する方法は大きく分けて3つあります。
●水道水から塩素を取り除く
●浴室から塩素を取り除く
●塩素が含まれていない水を使用する
●水道水から塩素を取り除く
普段使用している水道水から塩素を取り除くことができれば自ずと塩素の毒性から身体を守ることができます。
水道水から塩素を取り除く方法は6つです!
●煮沸する…水道水を煮沸すればトリハロメタンだけでなく塩素も取り除くことができます。塩素はトリハロメタンのように煮沸し続ける必要はなく、一度煮沸してしまえば取り除くことが可能です。しかし、煮沸する時にフタをしてしまうとうまく塩素が取り除かれないことがありますので、フタをしないような方法で煮沸するようにして下さい。
●汲み置きする…水道水を汲み置きすると塩素を自然に取り除くことができます。大体半日~1日かけて塩素を取り除きますが、放置された水は細菌やウイルスが繁殖しやすくなっているので、飲用に使用するのは問題があるかと思います。金魚や熱帯魚の飼育用に使用するのが無難です。
●ビタミンを入れる…水道水にビタミンを含ませると塩素を取り除くことができます。ビタミンは粒状の物から粉末の物まで幅広く販売されていますので、あなたに合うビタミン商品を探してみて下さい。
●緑茶にする…水道水の塩素は緑茶にしても取り除くことができます。緑茶にはカテキンという成分が含まれていますが、カテキンは塩素を分解する作用があります。しかし、緑茶にはカフェインが含まれており、カテキンは葉酸の効果を減少させてしまうので、妊娠中の方は控えた方が良いかと思います。
●活性炭や備長炭に通す…活性炭や備長炭に水道水を通すと塩素が吸収されます。お米を炊く時に備長炭を入れるとふっくら美味しく炊けるのは、塩素を取り除くことで米のビタミンを損失させずに炊ける為です。
●浄水器を取り付ける…一般的に販売されている全ての浄水器でも塩素を取り除くことができます。浄水器には様々な種類がありますが、人気があるタイプは蛇口直結型の浄水器です。定期的なメンテナンスや清掃を必要としますが、一度取り付けてしまえば比較的簡単に塩素を取り除くことができます。
●浴室から塩素を取り除く
水道水を使用するのはキッチンだけではありません。
冒頭で、塩素は約25℃で気化するとご説明しました。
浴室は温まりやすく塩素が気化しやすいのでキッチンだけでなく浴槽で使用する水道水の塩素にも注意しなければなりません。
浴槽の水道水を取り除く方法は3つです。
●シャワーヘッドを交換する…シャワーヘッドには塩素を取り除くことのできるタイプが販売されています。大手通販サイトでも比較的安価に販売されていますので、1度試してみてはいかがでしょうか。髪の潤いや肌荒れが改善されたと言う口コミが多いです。
●浴槽タイプの浄水器を取り付ける…浄水器には浴槽タイプのものもあるので、普段からシャワーだけでなく浴槽に浸かる方はこちらも試してみてはいかがでしょうか。
●ビタミンを入れる…ビタミンは塩素を取り除くことができると説明しましたが、入浴剤の多くにはビタミンが含まれていますので、浴槽に浸かる方は入浴剤を使用してみるのも良いかと思います。
●塩素が含まれていない水を使用する
水道水から塩素を取り除くのではなく、そもそも塩素が含まれていない水を使用すれば取り除く必要もありません。
塩素が含まれていない水を使用する方法は3つあります。
●天然水を購入する…スーパーやショッピングモールでは自動販売機よりも安価に天然水を購入することができるので、飲み水として天然水を購入するのも1つの手かと思います。しかし、数十本単位で購入していくと費用が多くかかるので塩素を取り除くのみであれば浄水器の方が安価かと思います。
●ウォーターサーバーを契約する…ウォーターサーバーは市販の天然水よりも健康や美容に良い成分が含まれていることが多いです。また、すぐに冷水や温水を使用できるというメリットもあります。
●ウォータースタンドを契約する…ウォータースタンドは浄水器とウォーターサーバーの良いとこ取りをした商品です。浄水器ではトリハロメタンを除去するには高額な費用が必要ですが、ウォータースタンドは比較的安価に塩素やトリハロメタン、その他の有害物質を取り除くことができます。また、メンテナンスや清掃が必要なく、水道水を使用するので水代が多くかかることもありません。冷水・温水・常温水と自由に水の温度を設定できるので、赤ちゃんのミルク作りや普段の料理にも惜しみなく使用することができます。
このように、塩素の毒性を取り除く方法は様々ありますが、私のおすすめはシャワーヘッドの交換とウォータースタンドを取り付けることです。
費用のかからない方法でももちろん問題ありませんが、毎日のことになると面倒くささから塩素を取り除くことを怠ってしまいがちです。
家の全ての水道水から塩素を取り除くのは難しいかと思いますので、費用を最小限に抑えながらより安全な水道水を使用するのがベストなのではないでしょうか。
ウォータースタンドなら放射線物質であるヨウ素・セシウム、ダイオキシン、水銀、鉛、カドミウムなどの極めて小さい成分も取り除くことができます。
水道水から塩素を取り除くのであれば、同時にその他多くの有害物質を取り除く方がより身体に良い影響を与えてくれます。
ウォータースタンドならお試しや試飲もあるので、気になる方は1度見てみて下さいね☆
塩素の毒性についてのまとめ
ここでは、塩素の毒性について書いていきました。
塩素はその殺菌力から私たちが生活していく上でなくてはならない成分ですが、その反面毒性が強く身体に悪影響を及ぼしてしまうことがある厄介な成分でもあるのです。
あなたが普段使用している水道水にも塩素は含まれているので、これまで肌荒れや髪質などの悩みを抱えていた方は、水道水の塩素を取り除くことができれば身体も良い方向に行くかもしれません。
また、塩素だけでなく水道水に含まれている有害物質を簡単に除去できるウォータースタンドがあれば、普段の飲み水や料理にもきっと役立つはずです。
塩素はこれからも生活の中に存在し続けます。
毒性を理解し正しく除去すれば塩素は脅威のない安全な成分です。
あなたが塩素の毒性に悩まずに、笑顔で日々を過ごせることを祈っています☆彡